2022年4月1日から、いよいよ、高校を卒業した18歳以上のみなさんは保護者の同意がなくてもクレジットカードの申し込みができるようになりました。
高校卒業したての大学生や短大・専門学生なども、申し込みができるようになったので、興味がある方はクレジットカードの検討をしてみてはいかがでしょうか?私の場合、今では数枚持っていますが、便利で手放せないアイテムになっています。
今まで、クレジットカードを作りたくても保護者が同意してくれなくて作れなかった人や、作るかどうか悩んでいる人はこの記事を読んでみて下さい。
クレジットカードの作り方の手順や、ホントに自分も作れるのか、その他カードのしくみやメリット・デメリットなどが分かります。
【もくじ】
(1)18歳からのクレジットカードづくり
(2)おすすめは学生カード
(3)カードづくりの手順と流れ
(4)カードが届いたら
(5)クレジットカードのしくみとメリットデメリット
(1)18歳からのクレジットカードづくり
2022年4月1日から高校生をのぞく、18歳以上の人は保護者の同意がなくても、クレジットカードの申し込みができるようになりました。
なぜかというと、民法の改正で、成人の年齢が20歳から18歳に引き下げられたからです。
これは、18歳で社会的な責任が負えると判断されたということでもあります。(ちなみに、お酒やタバコは別ですよ。)
一般財団法人日本クレジット協会が、2021年に行ったアンケートによると大学生の61.1%がクレジットカードを持っているとのことでした。
この割合は、大学生に限定されていますし、20歳以上であることが大前提です。
成人年齢も引き下げられ、大学生の他、短大、専門学生等も含めると所持率は更に上がることでしょう。
また、現在19歳の人は2022年の4月1日をもって成人と扱われますので、現時点ですぐに申し込みができることになります。
それでは、クレジットカードづくりやその仕組み、メリット・デメリットについてお話ししていくことにしましょう。
(2)おすすめは学生カード
まずは、作ると決めても星の数ほどある、クレジットカード。いったいどれにしたら良いか迷うことでしょう。
インターネットの検索窓に、「クレジットカード おススメ」と入れて検索しただけで、「おすすめクレカ◯選」「クレジットカード人気ランキング」「◯◯会社今だけ限定キャンペーン中」なんてサイトがたくさん表示されると思います。
その中から、自分に最もふさわしい1枚に出会うのは大変なことですよね。
各カードによってポイント還元率が異なったり、年会費の有無や金額、キャンペーンの実施状況、はたまVisa・Mastercard・JCB・American Expressなど国際ブランドなどでも悩んでしまうと思います。
そんな、あなたにおススメなのが「学生カード」です。呼び名はなんだか地味ですが、けっこう、メリットがあるんですよ。
ところで「学生カード」とは何かというと、大学生・短大生・専門学生など、勉強とアルバイトの両立を図る人を念頭において、作られたカードとのこと。
ということは医学部生や看護学生、工学部などの理工系の学生などは、勉強に忙しく、アルバイトができないので作ることができないの?ということになってしまいますよね。
でも、結論からいうと、18歳以上の学生で親の扶養に入っていればアルバイトをしていなくても大丈夫です。
親の扶養に入っていて「学生」という「身分」があると、親(親権者)に経済面でのゆとりがあるとクレジットカード会社は判断してくれます。
親の収入が安定していれば、支払いが遅れる可能性は低く、学生であるあなたの年収は、ほぼ重視されません。ということで、あなたの収入面での問題はクリアされましたね。
では、さっそく「学生カード」選びに入りたいのですが、ご存知のとおりクレジットカードには年会費というものがあります。
年会費を抑えたいのか、高いポイント還元で割引きを受けて買い物がしたいのか、それとも、提携先のお店のサービスやプレゼントねらいなのか、目的によって候補のカードが違ってきます。
カードづくりで大切なことは、何を基準にどのようなものを選ぶかです。
ちなみに、一般社団法人日本クレジット協会の2021年の大学生を対象にした調査によると、年会費を基準にカードを決めている人が最も多かったそうです。(1位:年会費無料・2位:1,000円〜5,000円・3位:10,000円〜20,000円)
年会費の支払いも、物によっては結構な額になりますから、カード選定基準のトップになるのも分かるような気がしますよね。
学生カードは、年会費が永年無料のものも多いのですが申し込み前にしっかりと確認してください。
カード会社によっては「◯歳までは年会費無料」というのもありますので注意が必要です。
次に学生カードを進める理由のひとつが「上限の設定が学生向き」なので使い過ぎないという点です。
限度枠の上限の設定は10万円が平均。高くても10万円〜30万円ほどです。10万円に設定されている場合は、この額を超えるとカードが使えなくなるので衝動買いに歯止めがかかります。
また、学生カードは学生が利用するシーンを想定して作られたものである点も特徴のひとつです。
例えば、カードを使って買った物が壊れてしまったり、盗まれてしまったときに補償してくれる「買物安心保険付き」
「旅行中に誤って他人の物を壊してしまい、弁償を求められた時や、他人にケガを負わせてしまったときの賠償、自分がケガをしてしまったときの入院や通院の治療費を補償してくれる「旅行傷害保険」もついていたりします。
このように学生の活動シーンを想定して作られているってところもうれしいですよね。
また、ポイント還元率でカードを選ぶというのもありです。通常カードのポイント還元率は0.5%くらいです。
例えば、クレジットカードで1,000円遣った場合だと、0.5%の5ポイントが貯まります。1ポイント1円だとしたら5円のポイント付与となります。
貯まったポイントはカードでの支払い時に当てたり提携先のお店から好みの商品をもらったりと使い方はいろいろ。
ちなみに、0.5%のポイント還元率が通常ですが、1.00%〜10.00%のものもあります。
これも学生カードで、JCBカードWとJCBカードW
PLUS Lというカードです。興味があればぜひご覧下さい。
https://zuu.co.jp/media/creditcard/creditcard-recommended/students/
(3)クレカ発行の流れ
めぼしいクレジットカードも見つかり、いよいよ申し込みの手続きです。今さら言うまでもありませんが、手続きはネットやスマホからでOKです。
1)申し込み内容の入力
まずは、カードが決まったら申し込み内容の入力をして下さい。氏名や住所、電話番号、生年月日、メールアドレスなど、どれも簡単な内容ばかりなのでご安心を。
また、収入記入欄がありますのでアルバイトをしている人は収入金額の記載をお願いします。
そして、前述したようにアルバイトをしていなくても大丈夫なので、収入は「0」と記入して下さい。
2)ネットで支払い口座設定
買物などをしたときの引き落とし口座を設定しましょう。何も、わざわざ新しいものを作らなくても大丈夫です。
銀行は、一覧から選ぶことができます。都市銀行に限らず日本各地の地方銀行にも対応していますから引き継いで使う場合には便利ですよね。
3)入会審査
入会審査は、社会人でクレジットカードを作ろうとしている人の収入や、今まで支払いが遅延したことがないかという「信用」をチェックする場です。なので学生のあなたは特に問題ありません。
ただ本人であることを確認するため、書類の提出が求められます。オンラインなのでどうするの?ということになりますよね。
インターネット上で引落口座の設定ができますが、口座開設時に金融機関で本人確認は済ませてあるため、引き落とし口座の設定でOKというものや、身分証の撮影データをアップロードするというものもあります。
最近では、身分証や自分の顔をスマホのカメラで撮影することで、本人確認する方法も増えてきています。(eKYC)
このような方法を利用して、本人であることを確認するので、面倒な手続きは必要ありません。
4)カード発行
カード審査を無事クリアしたなら、いよいよカードの発行となります。「学生カード」の場合「最短で3営業日」というのが比較的多いです。
中には最短5分で発行というものもありますが、これはカード番号、有効期限などの情報をメールで送ってくれるというものです。
5)郵送でカード到着
カードにもよりますが、たいてい、3営業日内にあなたのもとにカードが到着します。簡易書留や本人限定受取郵便で届くものが多いようです。
本人の受け取りが原則なので、不在時には再配達扱いになるのでご注意下さい。ただ、簡易書留の場合は、あなたがいなくても家族の方が代わりに受け取ることができるので大丈夫です。
また、本人限定受取郵便も日本郵便のサービスですが、家族の方が代わって受け取ることができないため注意して下さい。
本人限定受け取り郵便物とは、クレジットカードが郵便局に到着すると、「到着通知書」があなたのもとに送られてくる物です。
本人限定受取郵便で送られてきたときは、身分証明書の提示が必要になるので、免許証やパスポート・健康保険証の用意も一応しておいたほうがよいかもしれませんね。
(4)カードが届いたら
カードが届いたら早速使ってみたくなるのが人情。でも、その前に必ずしなくてはならないことがあります。受け取ったカードの裏面にサインをすることを忘れないようにして下さいね。
サインがないクレジットカードは、無くしたり、盗難にあったとき、不正に利用される危険性が高いうえ、カード会社から補償が受けられない場合があります。そのため、カードが届いたらまずはサインをお忘れなく。
カードのサインには、特に決まりはなく、どんなものでもOKです。とはいうものの、油性ペンを使って日本語で記入することをおススメします。
ローマ字や筆記体でサインしたい人もいるかもしれませんが、これらは他人に模写されやすいので安全であるとは言えません。
また海外旅行でも利用することを想定すると、やはり、普段書き慣れた日本語でのサインが安心ではないでしょうか。
(5)カードのしくみとメリット・デメリット
ここで簡単に、クレジットカードのしくみをおりまぜながら、そのメリット・デメリットについて触れてみたいと思います。
1)お客さん
あなたが買い物をするときのメリットのひとつが、プラスチックのカードひとつで、キャッシュレスでもお好みの商品を購入できる点ですよね。
また、お金をまだ稼いでいなくても、通常翌月の10日(会社によって異なるのでご確認下さい。)までに銀行口座にお金を準備することで、今欲しいものを買うことができます。
いずれの場合も、現金で支払うのと違って「買い物をしている」という感覚が薄くなるので遣いすぎには注意が必要ですよね。
また、使えば使うほどポイントが貯まるのもメリットです。通常、還元ポイントは5% 10,000円遣うと50ポイント=50円が貯まります。(1ポイント1円の場合)
「ちりも積もれば山となる」
コツコツ型の日本人なので、あなたの周りにもポイント集めを楽しみにしている人が、きっといるはずですよ。
学生カードに限らず、色々なカードのものが含まれていますが、ポイントに関しては、以下のようなサービスが数え切れないほどあります。
・コンビニやファストフード店で最大5%還元
・サブスクで最大10%還元
・携帯料金 最大2%還元
・QRコード決済最大3%還元
・新規入会でポイント最大8,000円相当プレゼント
・いつでもポイントが2倍
・ETCカード年会費無料
・入会のみで1,000マイルプレゼント などなど。
現金で買うのと違って、いろいろなシーンでポイントが利用できたり、サービスが受けられるのでポイントはクレジットカードの要といってもよいのではないでしょうか?
買い物の際には、カード1枚で多額の現金を持ち歩く必要もありませんし、スマートフォンとクレジットカードをひもづけすれば、カードすら不要となります。
また、最近では、ネットショッピングで、代引きや口座等への振り込み決済が減ったのもスマートフォンやパソコンからのクレジット決済が増えたからではないでしょうか。
税金や公共料金の引き落としもクレジットカードを使うことによってコンビニや銀行、郵便局へ支払いに行く手間が省けるうえ、「遅延」という危機からも逃れられますよね。その上、定期的にポイントが貯まりますので、いいことずくめです。
そして、若いうちからクレジットカードを持ち、しっかりとした支払いを積み重ねることにより、あなたのカードの利用履歴であるクレジットヒストリーは健全なものとなります。
クレジットヒストリーは「クレヒス」ともよばれ、あなたの支払いに対する「信用」を示すものと考えても良いと思います。
将来、ゴールド・プラチナ・ブラックなどのステータスカードを作る際には、収入の安定性とともにクレジットヒストリーが判断の材料となります。
「わたしは、ステータスカードなんか興味が無いから!」という人でも、いざ新たなカードを作ろうとしたときや、家や車を買うときの大きなローンが組めないということにも、なりかねないので支払いには十分気をつけて下さいね。
ところで、便利なカードですけれど、分割払いには注意が必要です。というのも、2回、3回、6回、10回・・・と会社によって分割の支払い回数は異なりますが、3回以上の分割払いでは12.0~15.0%の手数料率がかかります。(1回と2回それとボーナス払いには手数料率はかかりません。)
例えば10万円の物を12回払い(12ヶ月払い)した場合、試しにこちらのシュミレーターで算出してみてください。(手数料率12.5%の場合)
https://www.j-credit.or.jp/customer/basis/commission.html
1回目は9,000円、2回目〜12回目は8,900円、手数料は6,900円の計106,900円になります。
今までせっせと貯めたポイントを集めても、一気に手数料率でぶっ飛んでしまうような感じがしませんか?
なので、高額な物を学生が、容易に分割払いで購入することはおススメできません。すでに、社会人でボーナスの支払いが確実に見込めるような人は、そちらの選択をおススメします。
また、リボ払いも利用しないのが賢明です。リボ払いとは、例えば洋服代4万円、家電用品6万円、貴金属20万円の買い物をしたならば、毎月同じ一定の金額を支払っていくもの。
リボ払いも12.0~15.0%の手数料率がかかります。こちらも下記のURLから算出してみてください。
https://www.rakuten-card.co.jp/adjustment/revo/simulation/20180910/
毎月10,000円ずつ返済するとしたら、支払い手数料の合計だけで58,125円、支払い合計金額は、358,125円です。支払い回数は30回になります。
これに、例えば50,000円のバックを追加で購入したとすれば、月に払う額は10,000円には変わりありませんが支払い回数は35回で、支払い手数料の合計は78,750円、支払い合計金額は428,750円となります。
リボ払いをすると毎月払う金額は一定でも、追加で買い物をしていくとダラダラダラダラと支払い期間と支払い手数料の合計が増えていきます。
そのためカード会社は、お客さんにリボ払いを積極的にすすめようとしているのです。
クレジットカードのキャッシングもまた同様に100,000円を実質年利18%で180日(約半年)借りた場合は、100,000円×18%×180日÷365日≒8,876円となります。シュミレーターで確認してみて下さい。
以上のように、分割払いやリボ払い、キャッシングは学生のうちは極力利用しないことをおススメします。あなたの大事なクレジットヒストリーに傷がつくことにもなりかねませんからね。
2)クレジットカード会社
そうとはいえ、お客さんの代わりに販売店にお金を立て替えてくれているクレジットカード会社の大きな収入源がこの支払い手数料(利息)です。
ついでにいうと、カード会社は販売店(加盟店)から売り上げの一部をマージンとして受け取っています。これも大きな収入源です。
この加盟店のマージンは、店舗により1%〜10%と売り上げの規模や顧客の平均単価によってそれぞれ異なります。
客単価の小さいコンビニは1%程度、デパートで2〜3%、小売店や専門店で3〜5%、居酒屋・バーなどの飲食店では4〜7%、風俗店にいたっては7〜10%くらいと言われています。
3)販売店(加盟店)
では、販売店(加盟店)がそれほどのマージンを支払ってまでクレジットカードを導入するのはどうしてでしょうか?
お察しのよいあなたなら、なんとなくお分かりだと思いますが、クレジットカードがあれば手元に現金がなくても、ついついお客さんが買いものをしてくれるからです。
また、代金はカード会社がお客さんに代わって支払ってくれるので料金を確実に回収できるということも販売店にとっては大きいでしょう。
さらには、ポイントやキャンペーン等でお客さんを集めることができるというメリットもありますし、ネット通販に対応しやすいのもクレジットカードの特徴でしょう。
そして、外国人観光客の多くの母国ではキャッシュレス決済が当たり前になっていて、日本でクレジットカードを導入していない販売店は敬遠されるとのことです。
つまり、支払い手段にクレジットカード決済を導入することで、外国人観光客の集客がはかれるのも、クレジット決済を利用するひとつの理由です。
これら、クレジットカードのしくみからしても、消費者・販売店・クレジットカード会社いずれにも、メリットのほうが多く、消費者であるあなたも使い方さえ間違えなければ、ショッピングには手放せないアイテムのひとつになることでしょう。
まとめ
今後、お金の支払いの場面でも急速にデジタル化やキャッシュレス化が進むと思われます。
また2021年に発表されたアンケートでも大学生の半数以上がクレジットカードを所持しているとのことで(日本クレジット協会アンケートより)成人年齢引き下げによりさらに所持率はあがるものと思われます。
使い方さえ間違わなければ、ショッピングには欠かせない、便利で有意義なアイテムです。
また、ステータスカードや次のカード、将来の大きな買い物である自動車ローンや住宅ローンにそなえて早いうちからクレジットヒストリーを積み上げることも大切なことだと思います。
あなたが学生だったら、比較的容易に手に入れられ、利用しやすくメリットの多い「学生カード」の作成をおススメします。